バッハ・コレギウム・ジャパン 第141回定期演奏会 三大宗教曲を聴くⅢ ヨハネ受難曲
photo credit: Hiroyuki Tsuruno

バッハ・コレギウム・ジャパン 第141回定期演奏会 三大宗教曲を聴くⅢ ヨハネ受難曲

2021年2月19日(金)サントリーホールにて開催、バッハ・コレギウム・ジャパン 第141回定期演奏会 三大宗教曲を聴くⅢ ヨハネ受難曲の公演記録とレビュー/コメントのアーカイブページです。

公演日(初日) 2021年2月19日(金)  19時00分開演
会場 サントリーホール
出演 指揮:鈴木雅明
エヴァンゲリスト:櫻田亮
ソプラノ:松井亜希
アルト:久保法之
テノール:谷口洋介
バス:加耒徹
合唱:バッハ・コレギウム・ジャパン
管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン
演目 J. S. バッハ:ヨハネ受難曲 BWV 245  

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耳澄(みみすまし)

最終コラールの明るく力強い響きに少なからず意外に思いながら、しかし復活の希望がここに込められているのだと感じ入るに至り、私はしばしこの充足の時間の終わりを嚙み締めていました。
昨年のあの閉鎖ぎりぎりだったケルンでの配信以来、待望していた鈴木正明氏&BCJのヨハネ受難曲でした。

正直申しあげると、半分以下の客席と自分が座っている席の関係もあって、1部の途中までは鳴り響く音を掴み切れずにいて、峻烈な冒頭の合唱ですら私にはどこか遠い話のように聴いていました。
しかし、櫻田亮氏のあのペテロの呻きながら否認する語りを経て、「全楽器のトゥッティ」によるアリア「あー、私の思いよ」(谷口洋介氏)の熾烈さ –通奏低音の軋みさえ厭わない強いリズムの刻印 –に至って、やっとヨハネ福音の物語に参加できるようになりました。

第2部では、加藤宏隆氏のピラトが声・表現ともに印象的で、この存在感があってこそイエスの加耒徹氏との対峙がより鮮明になり大変聴きごたえがありました。
そして当夜最も感銘深いシーンのひとつであった、福田宏氏のヴィオラ・ダ・ガンバを伴うアリア「成し遂げられた」(久保法之氏)そしてフラウト・トラヴァルソにオーボエ・ダ・カッチャを伴うアリア「わが心、涙の川となって流れよ」(松井亜紀女史)
一方は預言の成就と勝利を語りながら喪われた悲しみがこぼれ、もう一方は正にその悲しみと悔恨が切々と歌われ、BCJの名手たちの伴奏とともに味わい深いものでした。

そして葬送の合唱「安らかに憩い給え」での再び頭にリピートした際の限りなく優しい、慰撫するかのような響き!
この深いニュアンスを聴きながら、わたしはこの受難曲のテクストをもっと自分のものにしたい、BCJの更なる進化にできるだけ追いつけるように音楽に向き合いたいと思える一夜でした。

すぎだま🐔クラレビの中の人

一昨年、エルサレムでイエス受難の地を実際にこの足で歩いた私には、マタイ受難曲、そして今日のヨハネ受難曲はその内容が実体験として蘇るのでした。

合唱、ソリストはテキストをおそらく十分に理解し、発声やニュアンスを自身のものとしているし、もうこの人達はドイツ人じゃないのかというほどに感じました。

サントリーホールは残念ながら響きすぎで、このご時世で間引いた客席数ということもあり、特に第一部は響きの弱さが気になりました。
しかしながらその感覚は、物語が大きく動く第二部には解消され、フィナーレのコラールに向けて祈りの感情が満ちてきて感涙の極みでした。

エヴァンゲリストの櫻田亮氏をはじめ、ソリストの方々は安心安定のものでありましたが、思いの外の収穫はピラト役の加藤宏隆氏でした。マタイとは違うヨハネのビラトの、人間味を漂わせながらも権力者たらんとしている強い歌声が心に残りました。

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