戸田弥生&野原みどりデュオリサイタル

戸田弥生&野原みどりデュオリサイタル

2021年3月21日(日)横浜市港南区民文化センター ひまわりの郷にて開催、戸田弥生&野原みどりデュオリサイタルの公演記録とレビュー/コメントのアーカイブページです。

公演日(初日) 2021年3月21日(日) 14時00分開演
会場 横浜市港南区民文化センター ひまわりの郷
出演 ヴァイオリン:戸田弥生
ピアノ:野原みどり
演目 ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第5番 ヘ長調「春」
ショパン:ポロネーズ第7番 変イ長調 作品61「幻想」
ラヴェル:ツィガーヌ
フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調

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プロイセン

戸田弥生&野原みどりのリサイタル。本来ピアニストはアブデル・ラーマン エル=バシャの予定だったが、新型コロナウィルス感染症に端を発する入国制限により、変更となった。
両者とも国際コンクールの覇者であり、期待は充分であった。

ベートーヴェンから始まるプログラムであるが、今日はあいにくの雨模様。そんな陽気を反映したような湿っぽい始まりであった。後半2楽章はヴァイオリンの音ものってきて明るい雰囲気に変わった。

野原単独での演奏でショパン。これが実に快演。ささやくような弱音から強奏まで自在で楽しい演奏になった。

ヴァイオリンをよく鳴らしたラヴェルも爽快。前半の後ろ2曲は奏者の自由が発揮できる良いプログラムだったように感じた。

後半はフランク。客席のノイズがかなり気になったが、それをものともせず、ピアノとヴァイオリンの美しい弱音が聞こえてきた。この日一番良かったのはこれであろう。戸田はこの曲の録音を済ませているが、それよりもアゴーギクを効かせた、自在な演奏をしていたように思えた。
野原のピアノは終始豊かで、ヴァイオリンとよく溶け合った演奏を行った。

アンコールは2曲。ファリャとドビュッシーの、静かな曲が演奏された。今日の陽気によく合った、素敵なアンコールであった。

コンビ、選曲、曲順、アンコール、天候、全てが上手い具合に組み合わさった、春の小粋なコンサートとなった。

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