NHK交響楽団 第1941回定期公演 Bプログラム
©NHK Symphony Orchestra, Tokyo

NHK交響楽団 第1941回定期公演 Bプログラム

2021年10月27日(水)サントリーホールにて開催、NHK交響楽団 第1941回定期公演 Bプログラムの公演記録とレビュー/コメントのアーカイブページです。

公演日(初日) 2021年10月27日(水)  19時00分開演
会場 サントリーホール
出演 指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
管弦楽:NHK交響楽団
演目 ステンハンマル:セレナード ヘ長調 作品31
ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 作品67


翌日も同プログラム  
参照サイト https://www.nhkso.or.jp/concert/20211027.html
https://www.nhkso.or.jp/concert/20211028.html

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プロイセン

今年、ブロムシュテットが指揮する3つのプログラム。その最後となるBプログラム。ステンハンマルのセレナードとベートーヴェン交響曲第5番という、ブロムシュテットの意図が反映されたプログラム。期待して両日足を運んだ。

ステンハンマルセレナードは清涼で美しい演奏。初日は少々各楽器の掛け合いが噛み合っていなかったが、2日目には克服し、ステンハンマルの描いた北欧の空気感が見事に再現されていた。ブロムシュテットの丁寧なリハーサルが生きているようだ。

後半はベートーヴェン5。聴き古した名曲も、ブロムシュテットの手にかかれば鮮やか。ベートーヴェンによるメトロノームの数字を踏まえたテンポ設定。
こちらも初日はあまり噛み合わず、第1楽章でミスも多発していた。しかしそれを乗り越え、歓喜へと導いたのにはこのコンビの40年の歳月が物を言ったという印象であった。
2日目はそのような前日の課題は消し飛び、冒頭からオーケストラは緊張に満ちていた。しかし固くなりすぎることが無いのはブロムシュテットの持ち味だろう。第2楽章の弦は豊かに歌い、第3、第4楽章へと向かう流れには深い満足と納得があった。ブロムシュテットのベートーヴェンは深刻になりすぎず、第4楽章の歓喜は純粋に喜ばしい。
しかし2016年にバンベルク響と披露した同曲とはまた違い、その時のかなり攻めたHIP路線は鳴りを潜めていた。しかし解像度の高さやフレージングの瑞々しさは変わらず、ブロムシュテットの安定感を見せつつけられることとなった。

両日とも盛大なソロカーテンコール。
聴衆は総立ちで、この成果を出したブロムシュテットに大きな拍手を贈った。

今シーズンのN響は木管が安定している。吉村オーボエ首席の鮮やかさと音の伸びは最上。さらに弦が透明感を持って歌い、金管が引き締める。N響の状態はかなり良い。

ブロムシュテットとN響が初めて共演してから40年。歳月が信頼関係を生み出し、この素晴らしい成果を上げた。見事と言うほかない。

1日空けて30日は同プログラムの所沢公演。来日最終日、同一プログラム3日目となるとどのような結果になるのか、非常に楽しみである。

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