ダニエル・ハーディング指揮マーラー・チェンバー・オーケストラ

ダニエル・ハーディング指揮マーラー・チェンバー・オーケストラ

2011年6月7日(火)Bunkamuraオーチャードホールにて開催、ダニエル・ハーディング指揮マーラー・チェンバー・オーケストラの公演記録とレビュー/コメントのアーカイブページです。

公演日(初日) 2011年6月7日(火) 19時00分開演
会場 Bunkamuraオーチャードホール
出演 指揮:ダニエル・ハーディング
ソプラノ:モイツァ・エルトマン
管弦楽:マーラー・チェンバー・オーケストラ
演目 マーラー:「花の章」
マーラー:「子供の不思議な角笛」~5曲
マーラー:交響曲第4番
参照サイト
www.bunkamura.co.jp

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耳澄(みみすまし)

ハーディングの快演を聴きました。
ハーディングといえば私は2006年のマーラー・チェンバー・オーケストラが演奏したモーツァルトの三大交響曲が忘れられません。 
あれは30代の作曲家の傑作を30代の指揮者が若いオーケストラで演じた、鮮烈と過剰さに満ちたモーツァルトでした。 
今回もこの組み合わせならではの颯爽として饒舌なマーラーで、これほどまでにあらゆる楽器・内声が大いにお喋りして語るマーラーはあまり聴いたことがありませんしそれが実に聴きごたえがありました。

テンポはただ颯爽としているだけでなく、3楽章などはこちらが驚くほどゆったりとしたテンポで弾きながら絶妙な呼吸感でもたれることのない弾力性を持っており、実に心地よかったです。 
ヴィヴラートを適度にかけながら過剰にはならないというその微妙な匙加減が今回の演奏の特徴でした。
一方で3楽章の221から222小節にかけてのチェロの6度上昇のグリッサンドの艶めかしさや弦楽器にかかるポルタメントの香りは軽味の響きの中に色香を添えるものがあり、素敵な彩りでした。 
またハーディングの進化を感じたのは響きの繊細でした。
1曲目の「花の章」の終結のハープがはかなく鳴って静かに消える際の透明な響きや、4番4楽章の113小節のDとAの5度によるハーモニ(ティンパニのD音トレモロが絶妙なバランスで響いていたのもGUT!!)の深い響きはちょっと唸りました。

お喋りという点ではⅠ楽章で頻出する楽器の明滅は鮮やかの一言。
スコアの指示以上にテンポの切り替え・変転が素早いですし、ベルアップの指示も全て順守。クラリネットの面々などはまるでベルアップを楽しんでいるかのようでした(笑) 
ただし、どの楽器もはりきってお喋りしてしまうのでちょっと煩わしく聞こえるというか響きが混濁する場面もあったことは事実です。個人的には少しバランスをとってもいいのではないかなと思う場面はありました。 

しかしそんな減点はわずかな話。エルトマン嬢の実にすっきりとした歌も4番の歌に相応しく、ブラボーフライングがあったとはいえ、しばし静寂の続いた終結も味わい深いものがありました。 

余談ながら、休憩時間にハーディングは自ら東日本大震災の募金箱を持ってラウンジを周遊。当初は募金するつもりがなかった不届き者の私でしたが、ラウンジを出ようとしたらハーディングと鉢合わせしてしまい思わずニッコリ笑って募金しちゃいました(笑) 
またその横にはカプソン兄弟の兄ルノーが立っていてそれにもびっくりしました!

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