新国立劇場オペラパレス 2020/2021シーズン ジュゼッペ・ヴェルディ《ドン・カルロ》

新国立劇場オペラパレス 2020/2021シーズン ジュゼッペ・ヴェルディ《ドン・カルロ》

2021年5月20日(木)新国立劇場オペラパレスにて開催、新国立劇場オペラパレス 2020/2021シーズン ジュゼッペ・ヴェルディ《ドン・カルロ》の公演記録とレビュー/コメントのアーカイブページです。

公演日(初日) 2021年5月20日(木)  17時30分開演
会場 新国立劇場オペラパレス
出演 指揮:パオロ・カリニャーニ
演出・美術:マルコ・アルトゥーロ・マレッリ

フィリッポ二世:妻屋秀和
ドン・カルロ:ジュゼッペ・ジパリ
ロドリーゴ:髙田智宏
エリザベッタ:小林厚子
エボリ公女:アンナ・マリア・キウリ
宗教裁判長:マルコ・スポッティ
修道士:大塚博章
テバルド:松浦麗
レルマ伯爵、王室の布告者:城宏憲
天よりの声:光岡暁恵
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
演目 ヴェルディ:ドン・カルロ 全4幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

2021年5月20日(木)17:30
2021年5月23日(日)14:00
2021年5月26日(水)14:00
2021年5月29日(土)14:00  
参照サイト
新国立劇場のオペラ公演「ドン・カルロ」のご紹介。 新国立劇場では名作から世界初演の新作まで、世界水準の多彩なオペラを上演しています。
www.nntt.jac.go.jp

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4 1 件の評価
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すぎだま🐔クラレビの中の人

5月23日(日)公演を鑑賞

マルコ・アルトゥーロ・マレッリの再演出で、公式サイトに動画もあるので雰囲気は大体ついてた。L型の大きな石壁のような装置が動くことで舞台を転換していく形で、私は結構好きだ。今回はやや上斜めからの3階アトレ席から見ていたので、単調さは逆に感じられなかった。

半面、演出自体は”単調”が目立った。聴かせどころの歌が終わると一旦音が途切れるので、再開となるところでの歌い手の動きは実は結構肝だったりする。しかしこの演出はあまりに予定調和でいけない。なのでどうしてもぶつ切り感”が出てしまっていた。

演技面で前半でもっともがっかりしたのは、2幕終わりで父に剣を振り回すカルロを止めに入るロドリーゴの動きで、もうどうしようもないほどの芋役者ぶり。

また、火刑台に罪人をリアルに磔にするとか、薪を女性を含めた民衆が自発的にくべに行くところなどが、舞台装置の抽象さと比べて極端に現実的すぎていて、「そこまで必要か」とも感じた。しかしいやもしかしたら、国家と宗教の強圧で民衆はそうするしかないという洗脳ぶりを表したかったのかもしれない、と思うのは優しすぎるか。
にしても、赤ん坊を抱いて「天よりの声」を歌わせた箇所は、演出家は「希望が溢れるように演出した」とプロダクションノートで記してはいるが、ただ赤ん坊を”だっこ”して右から左へ歩いて歌っていただけで、ならばもっと演技を磨くべきだったであろう。

後半では、銃で撃たれて死にゆくロドリーゴへ、カルロは走り近寄ることもなく何もしないところは、恐怖なのか?「友情の歌」を高らかに二人で歌った仲はいったい何だったのか、よく理解できなかった。
最終場でのフィリッポ2世や宗教裁判長、兵士たちの入り方の演技もなく、みんなで揃って亡き父帝の亡霊に引きずり込まれて去っていくのなら、”演奏会形式”で十分である。

歌手は総じて良かった。特にロドリーゴ役の髙田智宏は大変良かった。声質、声量、テクニックも備えていた。エリザベッタ役小林厚子もとても素晴らしい。聴かせどころをしっかりと、ドラマティックに歌い上げていた。
エボリ公女役のアンナ・マリア・キウリは残念だった。1幕の「ヴェールの歌」で、肝となる部分を強調し他の箇所を端折るような歌い方に若干の違和感が湧いていた。そして超難曲3幕「呪わしき美貌よ!」では最後の高音がついに発することが出来ずに終わってしまった。
ドン・カルロ役ジュゼッペ・ジパリは、声量はないが多分うまいのだろう、といった感想しかない。もともとあまりその存在意義も薄い役なので、皮肉にも適役となってしまった感があった。

パオロ・カリニャーニの指揮はとても良かった。実はこれまでオペラを観ている時は、舞台に全神経が行ってしまい、あまり演奏が頭に入ってこなかった。オケは伴奏、という程度にしか聴こえていなかった。
しかしこの前の大野和士のワルキューレで、今回と同様の3階アトレ席に座ってから、オケピもよく見え、指揮ぶり演奏ぶりもよく見えて、演奏も舞台も両方とも頭に入ってくるようになったのだ。
今日の演奏は、グランドオペラ色の強い重厚白熱の演奏というわけではないが、カリニャーニの緊張感を醸し出すキレによって、東フィルの実力が十分に発揮されていた。

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