九州交響楽団 第395回定期

九州交響楽団 第395回定期

2021年6月3日(木)福岡シンフォニーホールにて開催、九州交響楽団 第395回定期の公演記録とレビュー/コメントのアーカイブページです。

公演日(初日) 2021年6月3日(木)  19時00分開演
会場 福岡シンフォニーホール
出演 指揮:熊倉優
ピアノ:反田恭平
管弦楽:九州交響楽団
演目 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18
ショスタコーヴィチ:交響曲第15番 イ長調 作品141  
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嶋谷宏明 Hiroaki Shimagaya

6月3日(木)は九州交響楽団第395回定期演奏会へ。同日昼間には定期会場の福岡シンフォニーホールが入るアクロス福岡ステップガーデン(アクロス山)にお猿さん出現、というニュースを目にされた方も多いだろう。
定期演奏会は無事開催され、万雷の拍手にて終演。反田恭平氏奏でるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、いわゆるエリート街道のピアニズムから殻を破った感覚と、反田自身が兼ね備える熟達した精神力が溢れ出る快演。中でも圧巻は第3楽章スケルツァンド。新進気鋭の熊倉優氏登壇のバックを務める九州交響楽団と競い合うかの様なスポーティーな律動、大団円を魅せた。アンコールにてモシュコフスキーの技巧的練習曲から第6番。平土間にてスタンディグオベーションする女性陣も。
メインはショスタコーヴィチ交響曲第15番。私的15番の生音体験は5年置きだ。初めてが2011年2月東京赤坂でジョナサン・ノットとNHK交響楽団、前回が2016年3月東京上野でエリアフ・インバルと東京都交響楽団、そして今回3度目が福岡天神である。「反田目当て」で帰宅する聴衆は殆どおらず、私的嬉しさが増した。何せ長年温め続けるショスタコーヴィチ晩年の大傑作を共有できるのだから…
この交響曲はショスタコーヴィチ自身の回想録に訴求力をトッピングした構成にて、それがおもちゃ箱に喩えられている。そのおもちゃ箱が冒頭開けられ、末尾また未練残しつつ閉じられる。さて、今回の熊倉による解釈、イ長調のおもちゃ箱から溢れ返る魅力満載な引用を捌き切る。必然的にそれは各々モチーフを明確化し、実に整った演奏を実現させた。優秀な各セクションのソロも際立ち、要所を締めつつオケを奮起させるところは次世代世界の楽壇での活躍を予感させる。時として魅せるアクションは、彼の師匠パーヴォ・ヤルヴィをも彷彿とさせた。余韻をしっかり味わう十分な静粛、そして聴衆からのじわじわと沸き立つ万雷の拍手も素晴らしいものがあった。
終演後はアクロス福岡アトリウムにて、日本フィルハーモニー交響楽団首席コントラバス奏者である高山智仁氏と少しばかり談笑する機会を得ることが出来た。頼れる男!高山!私的大好きなアーティストのひとりである。高山氏は都内から福岡まで往復車移動(驚愕) またの再会を約束した。

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