九州交響楽団 第393回定期

九州交響楽団 第393回定期

2021年4月16日(金)福岡シンフォニーホールにて開催、九州交響楽団 第393回定期の公演記録とレビュー/コメントのアーカイブページです。

公演日(初日) 2021年4月16日(金) 19時00分開演
会場 福岡シンフォニーホール
出演 指揮:小泉和裕
管弦楽:九州交響楽団
演目 ブルックナー:交響曲第8番(ノヴァーク版)
参照サイト

九州交響楽団 第393回定期

この公演に行きましたか?

レビュー以外のコメントも大歓迎!緑のアイコンをクリックしてお寄せください➤
0
コメントをどうぞx

0 0 評価
この公演の評価
ウォッチする
通知
guest
レビューを投稿する前に確認してほしいことです

1 レビュー
古い順
新しい順 最高評価
コメント数
すべて表示
Q.E.D.ホフマン

初稿が「演奏不可能」とまで評されたAB8だが、今や国内オケの定番レパートリーの1つとなった。とりわけ器楽奏者の見せ場に恵まれ、オケの機能美を発揮する絶好の機会となりうる。(オケの機能美を全面に出したAB演奏の最右翼はカラヤン/Wphではなかろうか。ご存知の通り、カラヤンはマエストロ小泉の師である。)

その一方で教会の外壁の露わなヒダのような、ゴツゴツというかギザギザというか、そういうアンチ機能美な演奏にも強い支持がある。小生にとって忘れえないのはなんといってもインバル/都響のライヴで、インバル始め、ABのこうした側面を強調しようとする指揮者は初稿を選択することが多いように思う。(団員の支持を得られるかは別問題だが。)

小泉/九響の演奏は、もちろん前者である。ABはシューベルトも尊敬していたそうだから、ゴツゴツした演奏だけがABの本領ともいいきれないだろう。歌心あるABだっておかしくない。

本公演は対向配置ながら、対位法的性格がもっともよく現れる2楽章をのぞけば、決して対位法的性格を強調した演奏とはいえない。主題のゴツゴツした楽器間の受け渡しを、歌心たっぷりに聴かせてくれる。Fl.大村、Ob.佐藤、客演Cl.持丸、総じて好演。小生にはABのいう「ドイツの野人」がどのような生活を送っていたのか知るすべないが、現代的で健康的な野人であった。

2楽章以降はとみに集中力高く、終楽章のブルックナー休止でわずかに弦のフライングがあっただけで、機能美を発揮するAB8としては上級の演奏会であった。楽団による公演録画が行われており、何らかの形でいずれ公開されるものと推測される。

余談だが、歌心に満ちた素晴らしいfl.演奏を聴かせてくれた大村氏はSNSによると「ブルックナーが大嫌い」だそうで、大変正直な人で好感が持てる。

カテゴリー

ジャンル

1
0
レビューを書いてみませんか?登録は不要です。x