紀尾井シンフォニエッタ東京第25回定期演奏会

2000年7月1日(土)紀尾井ホールにて開催、紀尾井シンフォニエッタ東京第25回定期演奏会の公演記録とレビュー/コメントのアーカイブページです。

公演日(初日) 2000年7月1日(土)
会場 紀尾井ホール
出演 指揮:尾高忠明
フルート:ウォルフガング・シュルツ
オーボエ:ハンスイェルク・シェレンベルガー
管弦楽:紀尾井シンフォニエッタ東京
演目 モーツァルト:ディベルティメント変ロ長調 K.137
モーツァルト:オーボエ協奏曲ハ長調 K.314
モーツァルト:フルート協奏曲第1番ト長調 K.313
モーツァルト:交響曲第39番変ホ長調 K.543

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すぎだま🐔クラレビの中の人

紀尾井ホールは、1995年4月2日にオープンの、新日鐵創立20周年の記念事業として建設された音楽専用ホール。クラシック専用 800席、邦楽専用 250席。ホール運営を財団法人新日鐵文化財団がやってるからか、やたら年寄りが多い。OBか?
中に入り、今回の座席、2階BR(正面に向かって右のバルコニー)1列23番から全体を眺めると、いいホールだなあ、と素直に思う。
ヨーロッパの伝統的スタイルであるシューボックス形式で、こじんまりとしながらも、2階のみならず1階にもあるバルコニー席が、ステージと一体感、親密感を盛り上げてます。
オールモーツァルトです。ソリストを聞いて驚愕です。
ウィーン・フィルのシュルツ。ベルリン・フィルのシェレンベルガー。
4月の大宮でウィーン・フィルの首席で構成された室内アンサンブル公演のとき、シュルツはまさに歌うように吹いてたっけ。それはそれは美しかったんだけど、なにせ超大ホールである大宮ソニックシティ。その麗しくみずみずしい響きには至っておりませんでして、その点、室内楽にはうってつけの紀尾井ホールで演奏すると聞けば、行かないわけにはいきません。

緩-急-急と、珍しい構成のディベルティメント。予習不足でしたが、若き日のモーツァルトのはつらつさを感じました。

そしてまずはオーボエコンチェルト。これはもう、幼少から何万回聴いた事か。
オケとのアンサンブルも完璧だし、もちろんシェレンベルガーはノーミスだし、オリジナルかと思われるカデンツァはきれい過ぎるし、言う事ありません。Perfect。

予習で聴いていた、サー・ネヴィル・マリナー指揮アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズのクラリネットコンチェルトにカップリングの、ハインツ・ホリガーのそれに匹敵です。

続いてフルートコンチェルト。完璧です。
一楽章のはつらつのリズムは最後まで崩れないし、憂いの二楽章は涙ものだし、優雅なメヌエットの三楽章は踊りだしそうだし。これで5,500円は、ほんっと超お得。

大きな拍手に二人は出たり入ったりで、この段階でアンコールの披露。
デュオによる、魔笛から「パパゲーノ」と「夜の女王」。
アンサンブル・ウィーン=ベルリンの二人ならではの、息の合った演奏は、これだけでも、来てよかったってなものです。お揃いのメガネがお茶目。
これだけ盛り上がって休憩に入って、このあとの交響曲はあんまり期待しないほうがいいかもね、なんて言っていましたが、いやはや、やられました。

これから以降の三部作が、いわゆるモーツァルトの後期三大交響曲というのですが、40番が悲哀と情熱、41番が荘厳と宇宙というならば、この39番は優美と壮麗でしょうか。
歌うアレグロと呼ばれる第一楽章を、感情豊かにホントに歌い上げた実力に、このオケの卓越さを感じないではいられませんでした。もちろん二・三楽章も。
最終楽章。これがすばらしい。立派、のひとこと。予習用CDの、ジェフリー・テイト指揮イングリッシュ・チェンバー・オーケストラのそれでは、
「んー、フィナーレらしくない」
と不満だったのに、この日のここは、ぜんぜんダサくないし、華麗華麗。

拍手のあと、全員立ちあがって、指揮者と一緒にステージから去っていく終わり方も面白かった。
「全員がソリストなんだよ、ってことじゃない?」
という同行者。なるほど。

とにもかくにも大満足におつりが来るくらい。今日でシーズン最終公演ということで、新シーズンの幕開けは10月だそうです。

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