九州交響楽団 第397回定期

九州交響楽団 第397回定期

2021年9月2日(木)福岡サンパレス ホテル&ホールにて開催、九州交響楽団 第397回定期の公演記録とレビュー/コメントのアーカイブページです。

公演日(初日) 2021年9月2日(木) 19時00分開演
会場 福岡サンパレス ホテル&ホール
出演 指揮:カーチュン・ウォン
ヴァイオリン:金川真弓
管弦楽:九州交響楽団
演目 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
バルトーク:管弦楽のための協奏曲
参照サイト

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嶋谷宏明 Hiroaki Shimagaya

2日(木)は九州福岡を本拠にアクティブに取り組む九州交響楽団第397回定期演奏会へ駆け付けた。客演指揮者にこの程日本フィルハーモニー交響楽団首席客演指揮者への就任が決定したばかりの新進気鋭 Kahchun Wong 。
耐震強度を主とした大改修に先月突入したアクロス福岡シンフォニーホールは、実に14ヶ月も使用できない。そこで定期演奏会代替会場として起用する運びとなった会場が、博多埠頭に程近い福岡サンパレス。前者との音響や利便比較はさておき、私的着座の平土間センター前方は思っていたより有利な条件が整っていたかもしれない。暫時ながら私的定位置と化しそうである。
プログラム前半は話題沸騰のヴァイオリニスト金川真弓奏でるブラームスのコンチェルト。時としてヴィクトリア・ムローヴァを彷彿とさせる推進力に圧倒された。トゥッティからの息を呑む第1楽章カデンツァはヨーゼフ・ヨアヒムの愛弟子レオポルト・アウアーによるものだろうか?カーチュン率いる九響木管群の溶け込み具合が正にコロラトゥーラ・アリアで心酔した第2楽章、躍動しつつ骨太なジプシー風の第3楽章にて彼女の目指す確固たるビジョンが見えた気がする。
そして後半メイン・プログラムでカーチュンが取り上げた作品はバルトークの「管弦楽のための協奏曲」通称オケコンである。そのネーミング通り全5つの協奏的楽曲から成る。オケ試しとも言える難曲であり、各々セクションの手腕またはチームワークを要する。カーチュンは流れ以上に各フレーズの縦を意識させつつ按配を引き立てる快演へと導いた。オーケストラを羽交い締めにする様なタクトはアンチとしながらも、要所をカチッと隙間なく埋めつつ先導させるカーチュンの指揮ぶりは一度ハマると病み付きになるだろう。人が人を信頼し結び付けるコミュニケーション能力にも長けているカーチュンと九響の相思相愛ぶりは、今後何かしらワンステップあるかもしれない。
余談ではあるが、当公演はクラシック音楽専門ストリーミングサービス CurtainCall 経由にて国内外へライヴ配信され、約3000人ものユーザーが視聴した。エンターテイメントとしてクラシック音楽を眺めた時、何かしらヒントが隠されている好調視聴インジケータを意味しているかもしれない。オーケストラ・コンサートへの憧れはありながら中々会場まで辿り着けない心境… そこを敢えて擽る価値と準じる対価は、今後更に探求していきたいと考えている。

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