九州交響楽団 第404回定期演奏会
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九州交響楽団 第404回定期演奏会

2023年3月15日(水)福岡シンフォニーホールにて開催、九州交響楽団 第404回定期演奏会の公演記録とレビュー/コメントのアーカイブページです。

公演日(初日) 2023年3月15日(水) 19時00分開演
会場 福岡シンフォニーホール
出演 指揮:井上道義
管弦楽:九州交響楽団
演目 ショスタコーヴィチ:ロシアとキルギスの主題による序曲 作品115
ショスタコーヴィチ:ジャズ組曲第1番
ショスタコーヴィチ:交響曲第12番 ニ短調「1917年」 作品11
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Hiroaki Shimagaya 嶋谷 宏明

#九響定期404 爆裂的終演。強烈な第12交響曲末尾の残響音が消え去るや否や怒涛の拍手喝采。全国からコアなショスタコーヴィチ愛好家が福岡シンフォニーに押し寄せた。舞台上には精度高きマイク乱立。ミッキー、そして誇り高き九響よ、唯今感謝しか言いようがない心境である。ありがとう! 脳内お花畑ではなく、リアルだったミッキー九響のショスタコーヴィチ第12交響曲執拗音型EsBCと、テレビの中の世界でフィクションなのにノンフィクションの様な朝陽玉響によるチャイコフスキー第5交響曲コーダの凱旋行進曲が入り交じっていてヤバい領域なアカウントはこちらです。ひとつ、福岡赴任にてあれほどまでブラボーが飛び交う演奏会は初めてだった。来月は神奈川フィルにてショスタコーヴィチ第7交響曲、関係者各位何卒よろしくお願いいたしますぺこり。
#TheKyushuSymphonyOrchestra
#MichiyoshiInoue #DmitriShostakovich
#FukuokaSymphonyHall
#ショスタコーヴィチが好き

G.P.T.ホフマン

ここしばらくの定期では渋めのプログラムであり、外野席から勝手に客入りを心配していたが、祝日公演のスダーン指揮『ザ・グレート』よりも明らかに会場が埋まっていたのは実に意想外だった。
ミッキーの引退表明、そしてこれを最後のタコ12にするという声明が、これだけ福岡シンフォニーホールに人を集めたのだとしたならば、改めて彼の偉大さにこうべを垂れたくなるものだ。(元・日経文化部で音楽ライターの池田卓夫氏も会場にいたようだ。なおこの池田氏はインチキ経済学者とは一字違いの別人である、念のため。)

そうではあるものの、大阪フィルとの素晴らしき録音群や、オーケストラアンサンブル金沢との実況録音での彼とは、懇ろな関係を結んでいる小生ながら、当人を目の当たりにすると当惑してしまうことしきりというのが、正直なところでもある。
彼が『ジャズ組曲No.1』のハワイアンギターにあわせてハワイアンダンスを披露してくれた時、「これはブーイングで応じるのが礼儀なのだろうか?」と真剣に悩んでいたのは、果たして小生独りだったのだろうか。
フライヤーの一枚目に現れた彼の新刊の書名にビビったのは、決して小生独りでないと信じたい。
とまあ、不必要な嫌味を書き連ねてしまったが、それは小生の生来の性格の悪さによるもの‥‥ではなくて、楽曲の「毒気」にあてられたためだ(としたい)。

九州響の弦楽群は総じて明るく優美で、ドヴォルジャークやブラームスを手がけてもゴージャスにしてしまう傾向があると思うのだが、この日の九州響は『序曲』の一音目から、低音域を担う上手側を基底に陰影に富む音を奏でていた。
交響曲『1917年』になると更にニュアンスが多層化、第一Vnが第二主題を担うと本来の持ち味の優美さが発揮され、「人類の夜明け」と題された終楽章では回帰される度にその第二主題が輝かしさを放つ。
ベートーヴェン風の「苦悩を乗り越えて勝利へ」とは全く別種の、リアルな惨劇と、不気味なまでに美しい幻想とが、大音響の中で折り重なっていく。
ついに幻想はリアルを塗り替えることができたのか、それとも幻想は幻想のまま遠のいてしまったのか?
凡庸なこのレビュー子が千言を費やしても到底表現不能な多彩なニュアンスをはっきりと音化してくれたのは、疑いなくミッキーのタクトであって、拙筆は素直に平伏するのみである。

『ジャズ組曲No.1』ではトランペッターの巧さに舌を巻いた。
小生にはこの楽曲の魅力が今ひとつ分からなかったものの、それは決して指揮者やオーケストラの落ち度ではない。

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